第15回 第2の脳 ─ セッションをまたいで記憶を残す
Claudeはセッションを閉じると会話を忘れる。人間が寝ると忘れるのと同じ。だから外に「第2の脳」をつくる。記憶は2本柱で、CLAUDE.mdは自分が書き、Auto MemoryはClaudeが自分で書く。その上に構造化した知識ベースを置き、出来合いのプラグインでも自作のVaultでも始められる。これまで学んだ機能はすべてこの第2の脳の上に乗る。Claude Codeの使い方コース 第15回。
第2の脳
第15回スタート。テーマは「記憶」。Claudeはセッションを閉じると会話を忘れてしまう。今日のゴールは2つ。①記憶の限界を知る ②人間とAIが共有する「第2の脳」を設計する。シリーズの集大成に近い、いちばん大事な回。
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記憶には限界がある
まず現実から。Claudeはセッションを閉じると、その会話の中身を全部忘れる。人間が一晩寝ると細かい話を忘れるのと同じ。だから「昨日の続き」を毎回ゼロから説明し直すことになる。これを解決するのが今日の話。
第2の脳とは
解決のカギは「外に記憶を置く」こと。人間もAIも同じノートを読み書きする、共有のメモ帳=第2の脳。たとえ=2人で1冊のノートを使うイメージ。片方が書けばもう片方も読める。双方向に読み書きできるのがポイント。
Auto Memory ─ Claudeが自分で書く
まず標準機能から。Claude Codeの記憶は2本柱で、CLAUDE.mdは「あなたが書く指示」、Auto Memoryは「Claudeが自分で書く学び」。既定でオン。保存されるのは4種類で、frontmatterのtypeに記録される。user=あなたの役割や進め方の好み、feedback=「次からはこうして」という指摘と承認した進め方、project=進行中の仕事や期限などコードから読み取れない事情、reference=課題管理やダッシュボードなど外部情報の在りか。逆にコードや履歴から分かること、CLAUDE.mdに既に書いてあることは、あえて保存しない。毎回何かを保存するわけではなく、次の会話で役に立つかどうかでClaudeが判断する。
MEMORY.md ─ 索引と本文
どこに貯まるのかを見せる。~/.claude/projects/<リポジトリ>/memory/ の下に、索引のMEMORY.mdと、1つの話題につき1つのトピックファイルが並ぶ。毎回のセッションで読み込まれるのはMEMORY.mdの先頭200行または25KBまでで、それを超えた分は読まれない。だからClaudeは索引を短く保ち、詳細はトピックファイルへ逃がす。トピックファイルは起動時には読まれず、必要になったときに読みに行く。置き場所はgitリポジトリ単位なので、同じリポジトリのworktreeやサブディレクトリは同じ記憶を共有する。そのPCの中だけの話で、別マシンやクラウドには同期されない。中身はただのMarkdownで、/memory から一覧・編集・オンオフができる。「勝手に貯まるが、隠されてはいない」がここの結論。オフにしたい人は /memory のトグルか、settings.json の autoMemoryEnabled を false にする。
外部の「メモ帳」を持つ
Auto Memoryは便利だけど断片的。だから構造化した知識ベースを別に用意する。デイリーノート・プロジェクト・リソースに整理された外部メモ帳。たとえ=付箋メモ(Auto Memory)と、ちゃんとした手帳(知識ベース)の両方を持つイメージ。
手帳の作り方は選べる
手帳の作り方は2通りあって、どちらを選んでもいい。ひとつは出来合いのプラグインを入れる方法。私が配っているEbi Workspaceだと、ノートの置き場が最初から決まっていて、01_Daily(日々の記録)・02_Contexts(コンテキストとプロジェクト)・03_Resources(横断して使う知識)という構造が用意される。プロジェクトはoverview.md(目的とゴール)・status.md(現在地と次のアクション)・log.md(時系列ログ)の3ファイルで表す。そして「おはよう」「前回の続きを思い出して」「おやすみ」「週次レビュー」「このプロジェクト完了した」が、コマンドを覚えなくても言葉から自動で立ち上がる。もうひとつは、Obsidianなど普段使っているノートをそのまま第2の脳にする方法。構造もルールも自由に決められるかわりに、設計と手入れは自分の仕事になる。この後お見せする私のVaultは後者。強調したいのは、どちらが正解という話ではなく、置き場所を1つに決めることのほうが大事だということ。迷うなら出来合いから始めて、育ってきたら自分の形に寄せればいい。Ebi Workspaceは買い切りで、noteの販売ページ(note.com/ebibibi/n/n300772aeac93)から入手できる。既存購入者は追加料金なしで最新版へ更新できるので、そこも一言添える。
私のVault
実例を見せます。私はObsidianという知識ツールをこの第2の脳にしている。デイリーノート(日々の記録)/プロジェクト(進行中の仕事)/リソース(蓄積した知識)の3層構造。これをClaudeが直接読み書きする。人間とAI共通の脳になっている。
/goodmorning
ここから第2の脳の上で動く実践。朝「おはよう」と言うと、第2の脳から「今日やること」が出てくる。裏ではHook・スキル・サブエージェントが連携して、予定とタスクをまとめてくれる。これまで学んだ機能の合わせ技。なおこの一式は自分で組んでもいいし、前ページのEbi Workspaceを入れれば同じものが最初から入っている。
「思い出して」
新しいセッションを開いて「思い出して」と言うだけ。Claudeが第2の脳をたどって、前回の続きを自動で復元してくれる。記憶が消える問題を、外部ノートで埋める仕組み。毎回ゼロから説明しなくてよくなる。
/goodnight
1日の終わりは「おやすみ」。その日のデイリーノートをもとに、Claudeが日記を自動生成して第2の脳に記録する。書けば書くほど脳が育っていく。記録のループが回り始める。
集大成
ここが今日のクライマックス。第2の脳という土台の上に、これまで学んだ機能が全部乗る。CLAUDE.md(ルール)/カスタムコマンド/Hook(自動化)/サブエージェント(分担)。バラバラだった点が、ひとつの仕組みとしてつながる。
ここで手を動かす
ここで実際に手を動かして見せる。まず /goodmorning で第2の脳から「今日やること」が出てくる様子。次に「思い出して」で別セッションでも前回の作業の続きが復元される様子。最後に /goodnight で1日の記録から日記が自動生成される様子。説明だけで終わらせず、画面に映して実際にやってみせる。
今日のまとめ
今日のまとめ。Claudeはセッションを閉じると忘れる。だから外に第2の脳を持つ。記憶は2本柱で、CLAUDE.mdは自分で書き、Auto MemoryはClaudeが書く。Auto Memoryはリポジトリごとのmemoryフォルダにたまり、/memory でいつでも見て直せる。その上に構造化した第2の脳を置くが、出来合いのプラグインでも自作のVaultでも構わない。これまでの機能は全部その上に乗る。記憶を外に出すと、毎日が地続きになる。
次回予告
次回は第16回「自己検証 ─ テスト駆動 & 高度なHook」。Claudeに自分の仕事をチェックさせる話。テストを先に書く考え方と、もう一歩進んだHookの使い方。チャンネル登録とメンバーシップもよろしくお願いします!
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